弁慶の材質
材質を選別するに辺りIronAAでは様々な材質調査を実施しました。
それ以前に、職業柄殆どの金属を加工しており、金属の実質的特性については熟知しております。

真鍮を初めアルミやステンレスなど多種多様に渡って削り調査などをした結果台には鋼鉄が適していると判断しました。
アルミはオーディオではよく使われる物ですが錆びない・磁気化しない等の理由での使用だと我々は考えます。

また価格的にも我々が使う材質よりコストが安いと言うことも理由でしょう。
最近航空関係で使われるアルミ材と言う材質が有りますがそれより更に硬質で特殊な用事でしか使われる事の無い、調質を施した超硬質アルミ合金(超々ジェラルミン)も結局は生材の鉄にさえ堅さ・歪みで衰えます。
では何故アルミを使うのか?それはそれなりに耐腐食性・磁気化しない等の要因で採用される物で決して音質的には有利で無いと断言できます。

さて、弁慶には鉄を使用しますが、適材適所で特性を把握し採用しております。
鋼鉄は金属の中では最も優れた素材だと言えます。
鋼鉄と一言で済ますのは余りにも大ざっぱすぎます。
種類は多種多様で柔らかい物から硬い物、磁気化しにくい物や耐腐食性の優れた物など究極の金属といえるのがなのです。

当然、表面処理に関しても全く手抜きはありません。
全て金属を使い樹脂系などは一切使用せず性能重視です。

以下参照


下の画像をクリックすれば別ウインドウで大きく見ることが出来ます。

支柱
ベアリングなどに使われる高炭素クロム軸受鋼鋼材を無垢材から削りだし、特殊な熱処理の高周波焼入を施します。
更に、特殊な需要でしか使われることのない硬質クロムメッキを施しビッカース硬さ1000HVを実現致しました。
歪みが殆ど無く、究極の支柱だと断言致します。
この支柱の性能のお陰で天板を必要とせず直接支柱にスピーカーを設置していただけます。
取り付けは底板からボルトM16でダイレクトに締め付け、全ての支柱のバランスを統一するため、直径精度は+−0.01ミリ以内としております。
長さの精度は500ミリまでの長さでは+−0.05ミリ500ミリ以上からは+−0.1ミリとしております。
長さの寸法は温度により変化するためこれ以上の精度は出せません。
ホルダ
素材SS400を採用。
比較的柔らかい材質をここでは採用いたしました。
表面処理には無電解ニッケルメッキを採用し、綺麗に仕上がっております。
このホルダー自体をボルトM8で4箇所から強固に取り付け、支柱をM6ボルトで90°方向2箇所から押さえつけます。
底板(プレート)
S50C〜S55C化学成分を設定した炭素鋼を採用いたしました。
厚みは極厚の35ミリ以上の無垢材を採用。
この材料に直接取り付け加工を施しダイレクトに支柱・ホルダを取り付けます。
表面はニッケルを採用しビッカース硬さ500HVを実現しております。
取り付けボルト類
弁慶の組み立てで使うボルト(ネジ)です。
左の黒く大きなボルトが支柱とプレートをダイレクトに取り付けるためのボルトM16で、クロムモリブデン鋼のボルトを採用しました。
右のボルトがホルダーを取り付けるためのM12ボルトでステンレスSUS304を採用しました。
右下の小さなボルトは支柱と支柱とホルダーを押さえつける為に使うM6ボルトでクロムモリブデン鋼を採用。
コレは少しでも剛性を高めるためのおまけです。
尚、画像は1セットで使われるネジ数です。
スパイクセット
剛性から見てベタ置きがベストですが、現実的にはスパイクで平衡調節をする必要がある場合が多く、弁慶でもスパイクを使えるようにしております。
スパイクも独自の理論に基づいてボルトの先に高炭素クロム軸受鋼鋼材に高周波焼入処理されたボールを埋め込みました。
ボルトはクロムモリブデン鋼です。
受け皿は耐衝撃性に優れたネズミ鋳鉄を採用。
1セットに付属する数はスパイク・ベース共に16個です。